フクロモモンガのしつけは上手にできるのか?

世話編

フクロモモンガのしつけはどこまで覚えられるのか?

 フクロモモンガのしつけは難しいと言われています。ペットの代表格と言えば犬ですが、フクロモモンガに犬のように「お手」や「待て」ができるように覚えさせるのは至難の業です。また、トイレの場所や食事の摂り方など、ある程度のところまでは飼い主さんが望むような行動に近づけることは可能ですが、しっかりと覚えられるかと言えば、やはりこれも難しいのが現状です。

 そもそもペットに対してしつけをする理由は、飼い主さんの意図した通りにペットが行動できるようにすることです。もちろんフクロモモンガが飼い主さんの意図とは違う行動を取ったとしても、フクロモモンガにとっては当然の行動であるかもかも知れないということを理解しておくことも重要です。ひと口にしつけと言っても、フクロモモンガが取った行動の意味を理解してあげることも、また必要なことなのです。

  • ペットの「しつけ」とは、ペットに飼い主が望む行動をさせることにある。

 思うようにしつけがうまくいかないのは、フクロモモンガの場合は仕方のないことです。しつけができないからと、イライラしたり、乱暴に扱ったりしては絶対にいけません。じっくりと、優しく、丁寧にフクロモモンガと向き合ってください。フコロモモンガにしつけをするということではなく、飼い主さんが望む行動に近づける、というイメージでしつけをすることをおすすめします。

  • フクロモモンガのしつけは難しいが、ある程度のところまでは飼い主が望む行動に近づけることは可能である。

フクロモモンガのトイレのしつけについて

 フクロモモンガのしつけが難しいということを聞くと、「トイレのしつけはどうすればいいの?」という質問が多く寄せられます。

 なるほど、フクロモモンガの飼育と言えば、「ニオイ」の問題から目を離せませんので、この質問が多く寄せられることに納得ですね。特に、生活空間に「異臭」が漂ってしまうことは、何としてでも避けなければいけません。「臭腺」のニオイであれば、ペットの特徴である為に受け入れることは簡単ですが、「排泄物」のニオイであれば、何とかコントロールしていきたいものです。

 フクロモモンガの場合、確かにトイレを含む「しつけ」をすることは難しいのが現状です。ただし、「トイレ」の場合は、フクロモモンガ自身が排泄したい場所を決め、基本的にはその場所で排泄をするようになります。飼い主さんからすれば、その場所をトイレなのだと思って、あとはどのようにコントロールすればいいのかを考えていくのがいちばんいい方法だと思います。

  • フクロモモンガは、トイレの場所を自身が決める傾向にある。
  • その場所に対して、飼い主はどのようにコントロールするをしていくかを考える。

フクロモモンガのトイレは個体ごとの傾向を把握すること

 フクロモモンガのトイレの傾向は、ある程度つかめるようになります。実際にフクロモモンガが、どこでどのように排泄するのかをよく観察するしかありません。

 ここでは実際の飼い主さんの話をもとに、フクロモモンガのトイレに多い2つの傾向をご紹介します。

フクロモモンガのトイレは金網ケージにつかまってケージの外側に排泄する

 フクロモモンガのトイレで多いのは、金網ケージの金網につかまって、ケージの外側に向かって排泄をすることです。

 フクロモモンガ自身も、自分の住処や寝床があるケージの中で排泄することを避けているのでしょうか。この金網につかまってケージの外側に向かって排泄するスタイルが、よく聞くトイレの方法です。

 このトイレのスタイルでは、金網ケージの外側に、ペットシーツや新聞紙を敷いたり、犬用のトイレトレーを設置することがケアの方法となります。また、ケージの金網を伝ってケージの外側に排泄物が垂れます。ケージの金網の掃除や、ケージの床のペットシーツや新聞紙、猫砂の交換が対策となるでしょう。

フクロモモンガのトイレはステージの上で排泄する

 次に多いフクロモモンガのトイレのスタイルは、ケージ内に設置したコーナーステージの上で排泄することです。

 この場合は、コーナーステージの上に、深さのある容器に猫砂を入れて設置してあげるといいでしょう。掃除の方法は、ステージの上をよく掃除して、容器に入れた猫砂を交換することです。

 特にケア面では難しいことはないと思いますが、このコーナーステージの上をトイレとする場合の問題点がいくつかあります。

 例えば、基本的にコーナーステージはケージの上方に設置してあることが多いと思いますが、この場合にはコーナーステージの下方に設置してる餌用の食器や給水ボトルが、上から垂れてきた自分の排泄物によって汚れてしまうことがあります。

 なるべく、トイレをするコーナーステージの下側には食器や給水ボトルを設置せず、反対側に設置するなどの工夫をしましょう。また、食器や給水ボトルを設置する高さも、なるべくケージ内の上側に設置しましょう。

  • 金網ケージにつかまって、ケージの外側に向けて排泄する。
  • ケージ内のコーナーステージの上で排泄する。

フクロモモンガの噛みつき癖のしつけについて

 フクロモモンガは、鳴き声で自らの意思表示をすることが知られています。

 ところが、フクロモモンガが「噛みつく」ことで意思表示をする場合があるということは、意外と知られていません。

 この噛みつく行動を、フクロモモンガの噛みつき癖とひとくくりにしてはいけません。もちろん、単なる噛みつき癖の場合もありますが、これは飼い主さんがフクロモモンガをよく観察することで、噛みつき癖なのか?それとも、何らかの意思表示をしているのか?または、飼い主さんにじゃれているのか?を判断しなければなりません。

 ここでは、フクロモモンガの噛む理由と、それを解決する方法を考えていきたいと思います。

  • フクロモモンガが噛む行動には理由がある。

フクロモモンガが噛むのは恐怖や不安のとき

 フクロモモンガは、恐怖や不安でたまらなくなった時に信頼を寄せる飼い主さんに近づき、飼い主さんの手を噛んでくることがあります。通常、恐怖や不安を感じた時はその状況から逃げるものですが、逃げ場がない状況では必死になって飼い主さんを噛みついてくることがあります。

 性格的にもともと怖がりな子や、臆病な子もいますが、もし必死に近づいてきて噛みついてくるようなことがあれば、ぜひ優しく迎え入れてあげましょう。フクロモモンガが落ち着いて、飼い主さんに信頼を置けるよう、優しく接してあげることが必要です。

 忙しいからと乱暴に扱ったり、噛みついてきたことでそれを振り払うような行動を取ったりすることは、フクロモモンガのストレスを溜めてしまうことにつながります。怖い記憶などは薄れにくいので、充分に気を付けてください。

  • フクロモモンガが噛む理由は、恐怖や不安で逃げ場が無くなったとき。

フクロモモンガが噛むのは体調が悪いとき

 フクロモモンガは、体調が悪い時や身体のどこかに痛みがある時など、自分の身を守ろうと必死になって周囲の人間やものに対して攻撃的になる場合があります。

 まずは、体調が悪いのか?それとも、身体のどこかに痛みがあるのか?を見極める必要があります。体調が悪いようであれば、動物病院を受診します。身体の痛みがある場合は、その部位を守ろうとするので動きに変化が見られます。怪我をしているようであれば、悪化しないように動物病院を受診しましょう。

  • フクロモモンガが噛む理由は、体調が悪いときや、身体に痛みがあるとき。

フクロモモンガが噛むのを止めさせる方法は人間の舌打ちが効果的?

 フクロモモンガが噛む理由は、恐怖や不安で逃げ場が無くなったときや、体調が悪いときが多いわけですが、これ以外にも噛む理由というのは存在します。

 例えば、飼い主さんが急に手を動かしてそれに驚いたとか、おやつのニオイが手についていたとか、いろいろな理由があります。

 フクロモモンガが噛む理由は、単なる噛みつき癖だけではなく、何かしらの原因があるわけです。その原因を突き止め、取り除くことで噛むことは無くなるでしょう。

 また、フクロモモンガの噛みつき癖を止めさせる方法で効果的なものは、人間で言う「チッ」と舌打ちをすることです。この「チッ」という舌打ちは、苛立ちや不快感を示すフクロモモンガの鳴き声に当たります。ぜひ、試してみてください。

 

タイトルとURLをコピーしました