フクロモモンガによくある病気とは?

健康管理編

フクロモモンガの飼育環境の現状とは?

 エキゾチック・アニマルについては、他のペットの様に豊富な飼育情報がありません。フクロモモンガについては、最近はペットとして認知されてきたことで、飼育個体が増加傾向にあります。それに連れて、飼育情報も集まりつつありますが、まだまだ発展途上の段階だと言えます。

 フクロモモンガを診察できる動物病院もまだまだ多くはなく、現状では数えられる程度という状況ですが、徐々にフクロモモンガに多く見られる病気というものが分かってきています。こうした病気に注意することで、病気の罹患率も減少すると思われることから、情報共有の意味でいろいろ調べてみました。

 ブログ運営者は獣医師ではありませんので、参考程度の情報と捉えてください。

フクロモモンガによくある病気と症例について知っておこう!

代謝性骨疾患:クル病、骨粗しょう症など

 代謝性骨疾患とは、フクロモモンガに多く見られる骨に異常が起きる病気の総称です。これは、クル病骨軟化症骨粗しょう症などと言われているものです。

 フクロモモンガは、元々偏食が見られる動物です。偏った栄養バランスの食事や不適切な食事が原因で、特にカルシウム不足、カルシウムとリンのバランス、ビタミンDなど、骨の形成に必要な栄養素が不足することで、骨折しやすくなったり、四肢にゆがみが生じたり、最悪麻痺などを発症します。

症状:元気がない、動かない、震える、足を引きずるなど

 症状としては、「元気がなくなり、活発に動かなくなる」、「足を引きずる」、「麻痺で四肢の動きが悪い」、「関節が腫れる」、「骨や関節が内側や外側にゆがむ」、「痙攣などが見られます。

予防

 本来、主食として与えてはいけないフルーツ、野菜、ナッツ類、種子類などを必要以上に与えたことが原因であることが多いようです。

 予防には、バランスのいい食事を与えることです。成長期、妊娠期、授乳期には多くのカルシウムが必要になります。これらの時期には、身体の骨格や筋肉が形成される為、より充分な栄養を与えます。

 一般的に、「カルシウム:リン」のバランスは、「1~2:1」が理想だと言われます。ところが、フクロモモンガの餌の代表格であるミルワームなどは、リンの割合が高くなっています。

 ここは飼い主が意識して理想の栄養バランスとなるように食事には充分に注意する必要があります。

肥満

 フクロモモンガの食事中の脂質やタンパク質の含有量が多すぎること、そもそもの餌量が多いこと、運動不足が原因のようです。これも飼養管理不全、つまり飼い主さんの責任です。

予防

 肥満は、人間と同様に心疾患や肝疾患の原因となることもある為、肥満と見られる場合には、食事の質や量の変更と、適度な運動をさせるなどの対処が必要です。

 そういえば、最近はあの滑空する姿をみていないな~と感じたら、それが原因かも知れませんよ。

白内障

 フクロモモンガでは、若齢性の白内障が見られることがあります。これは、眼球への脂質の沈着が原因のようで、母親の栄養不全や遺伝によるもの、また、育児嚢での育児期の外傷栄養不足が原因で発症するようです。

予防

 白内障は遺伝が原因のことが多いようです。栄養バランスのいい食事を与えることや充分な運動の機会を作り、心身ともに健康でいられるようにしましょう。

消化器疾患:下痢、便秘など

 水分や糖分の摂り過ぎで下痢や便秘になったりするようです。また、反対に食事量が少なかったり、食事の栄養バランスが崩れていると便秘になることがあります。

 これ以外にも、消化器管の寄生虫や原虫も見られることもあるので、クリニックで糞便検査を実施してもらいます。

予防

 フクロモモンガの排泄物を放置せず、こまめにケージを掃除しましょう。また、食事にも充分に気を付け、栄養バランスの偏りに注意しましょう。

歯周病、虫歯

 食事の時に炭水化物を多く摂り過ぎていると、歯周病や虫歯になる症例も見られています。

予防

 フクロモモンガの歯磨きは難しいと思われます。歯周病予防には、外骨格も持つ昆虫(身体の表面が固い昆虫)を与えると、歯石や歯垢を予防する効果が期待できます。

ペニス脱

 フクロモモンガは、有袋類に分類され、他の哺乳類とは解剖学的に大きな違いがあります。そのひとつが陰茎の形と陰嚢の位置です。

 オスのフクロモモンガは、性成熟すると陰茎を出したり引っ込めたりすることがあります。この行為が原因で陰茎が元に戻らなくなる時があります。フクロモモンガはこの症状が見られると、陰茎を咬んだり舐めたりしてしまうことがあり、陰茎が赤黒く腫れ上がったり、ドス黒く壊死してしまうと、先端を切除する必要が出てきます。

症状

 陰茎が戻らなくなり、「頻繁に気にしている」、「舐め続ける」、「かじる」などの症状が見られます。時間が経つと、赤黒く腫れ上がったり、壊死して黒くなります。

予防

 症状が見られたら、なるべく早く動物病院に連れて行きましょう。また、飼い主はこの病気のことを理解しておきましょう。

ストレス性疾患:自咬症、自傷行為、身体を掻くなど

 自咬症や自傷は、ストレス性疾患のひとつと言われています。その字の通り、フクロモモンガが自分自身の身体の一部を咬んで傷つけてしまうのです。

 フクロモモンガはストレスを感じると、自身の足、尻尾、生殖器などを咬みちぎる症例が分かっており、生殖器を咬みちぎってしまった症例では、排尿ができずに死亡するなど重篤なケースが報告されています。

 原因のひとつとしては、身体的なもので、具体的には汚れてしまった指だったり、薬を塗られた部位だったり、ペニス脱を発症した生殖器だったり、感染症を発症している総排泄孔だったり、腸閉塞で痛みを感じる腹部だったり、違和感を感じる部分をかじり始めます。

 また、精神的な原因としては、フクロモモンガは社会性の強い動物であることがあげられます。コミュニケーション不足で寂しかったり、ケージが狭すぎたり、運動不足で退屈だったりと、ストレスに成り得る心理的な原因やフラストレーションでも発症します。

症状:身体をかじる、舐め続けるなど

 症状は、「身体をかじる」、「舐め続ける」などです。フクロモモンガは、口が届く部位であれば、手足の指、尻尾、胸部、腹部、総排泄孔、生殖器など、どの部位でもかじってしまいます。これは、体毛や皮膚だけでなく、時に筋肉や骨までもかじってしまうことがあります。

予防

 外科的、内科的処置が必要な場合は、専門の獣医の診察を受ける必要があります。そうなる前に、退屈をさせない環境作りや必要充分なコミュニケーションをとることを意識しましょう。また、けがには気を付けて安全な飼育環境を整えましょう。

腫瘍、癌(ガン)

 フクロモモンガは、他のエキゾチック・アニマル同様に、腫瘍を発症することがあります。

 組織の腫大が見られたり、腫瘤らしきものが見られる時は、早めに病院を受診することをおすすめします。病院の方でも、術前の細胞診と病理所見は食い違うことがあるようで、あやしい腫瘤がある時は、状況が許す限り、小さいうちに摘出するなど外科的処置をした方がいいようです。

フクロモモンガの病気の治療や予防について、獣医の見解は?

 知人の獣医師に話を聞くと、フクロモモンガの治療には、まずは疼痛緩和の処置を実施するということです。そこから性衝動によるストレスの場合には去勢手術などの外科的治療、精神的なストレスの場合には抗不安薬の使用も考えるそうです。

 外科的治療後だけではなく、激しい自咬症状が見られる場合には、エリザベスカラーという首に羽のような防護治具を着用することもあるそうです。

 フクロモモンガの病気の予防には、飼い主さんの勉強が必要になってきます。生態を理解し、栄養管理や心のケアが大事だということですね。普段から充分な運動やスキンシップをとることが病気の予防につながるのではないでしょうか。

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