フクロモモンガの多頭飼育に挑戦しよう!同居までの手順とは?

世話編

フクロモモンガの多頭飼育に挑戦する前に・・・

 フクロモモンガは、野生下では群れを作って生活をしています。飼育下でも、多頭飼育ができるのであれば、それに越したことはないでしょう。

 もちろん、フクロモモンガを一匹だけで飼う単頭飼育も可能です。その時は、飼い主さんが群れの仲間となって、毎日フクロモモンガとコミュニケーションを取れれば問題ありません。

 飼い主さんも仕事や家事で毎日忙しいと思います。フクロモモンガと遊ぶ時間を取りたい気持ちはあっても、なかなかその時間を確保することが難しいこともあるでしょう。

 フクロモモンガもコミュニケーションが不足すると、ストレスを抱えるようになってしまします。そうなってくると、多頭飼育という選択肢も考える必要があるのです。

 多頭飼育を考えた時、問題となってくるのはフクロモモンガの仲間を選ぶのはフクロモモンガ自身ではなく、飼い主だということです。必ずしも相性がバッチリで仲良くできる個体を選べるかどうかは分からないのです。

 このあたりのリスクを理解した上で多頭飼育に挑戦するかどうかを考えていくことが重要です。

フクロモモンガの多頭飼育のステップ!同居の手順について

 フクロモモンガの多頭飼育について、まずは最初に1頭を飼育していて、そこにもう1頭を迎え入れる場合が多いかと思います。

 そこで、ひとつの例として、1頭を飼育しているところに、もう1頭を迎え入れて多頭飼育を始める場合のステップについてご紹介していきます。この同居の手順は、あくまでもひとつの例として参考にしてください。

1⃣検疫期間を設ける。

 フクロモモンガは、エキゾチック・アニマルに分類されるペットです。エキゾチックとは、「異国風」という意味です。

 この言葉の意味からも分かる通り、ペットとしてある程度は認知されているにも関わらず、まだまだその生態について分からない部分があるのも事実です。例えば、ペットして人気のある犬を見てみると、現在ではその生態が深く知られ、そのひとつとして人間のペットとして共存できるように、狂犬病や感染症対策として混合ワクチンの予防接種があります。

 残念ながら、フクロモモンガに対して、予防接種の仕組みはありません。だからといって、危険という意味ではありません。あくまでも、フクロモモンガの個体と個体との接触で感染する何らかの病気やウイルスを持っていないとも限りません。

 その感染症を持っていないことを確認する為に、検疫期間、つまりフクロモモンガ同士を接触させるまでの待期期間を設ける必要があります。特別なことは必要ありません。一般的には、20日間程度を別々のケージで飼育するだけになります。この期間だけは、先住のフクロモモンガから先に世話をして、次に後住のフクロモモンガを世話をするという順番さえ守れば問題ありません。

2⃣相手のニオイに慣れさせる。

 20日間程度の検疫期間を過ぎた後は、ケージを近づけて相手のニオイを嗅がせる手順となります。ケージを隣同士で並べて、ハッキリとした相手のニオイと姿を覚えてもらいましょう。

 金網ケージの場合は、密着させてケージを並べてしまうと、相手を攻撃してしまう可能性がありますので、フクロモモンガ同士が金網の隙間から手を出しても触れないように工夫することが大切です。

3⃣寝床のポーチや巣箱を交換する。

 フクロモモンガに、相手のニオイと姿を意識させた後は、より相手のニオイを覚えさせるステップへと進みます。具体的には、普段寝る時に使用している寝床となるポーチや巣箱を交換することです。

 同居する相手のニオイがしても、自分にとって何も問題がないという状況を意図的に作るのです。これで、フクロモモンガは自分の安全で安心できる空間が脅かされることはない!ということを覚えるのです。

 やはり、フクロモモンガはニオイで判断する部分が多いので、この方法は有効なのです。

4⃣ケージから部屋の中に放して様子を見る。

 フクロモモンガが相手のニオイを覚えたら、その次はいよいよフクロモモンガ同士を接触させていきます。

 狭いケージの中で接触させて、仮にお互いが攻撃をし合ってしまうと大変です。まずは、お互いの逃げ場を作る為にも広い部屋の中で接触させた方がいいと思います。

 部屋の中に自由に放してみて、喧嘩にならないようであれば、しばらく様子を見続けます。

 ここで、喧嘩が始まってしまうようであれば、2⃣や3⃣の相手のニオイに慣れさせるところに戻ってください。

 何度か試しても、喧嘩になってしまうようであれば、ここから先のスッテプには進むことは難しいでしょう。やはり、人間と同様にフクロモモンガにも相性がありますので、フクロモモンガの為にも潔くあきらめることが肝心です。残念ですが、バラバラで飼育をしましょう。

5⃣いよいよ同居をさせてみる。

 フクロモモンガ同士を広い部屋の中に放して、お互いの相性に問題が無さそうと判断ができれば、いよいよ同居をさせるステップとなります。

 可能であれば、フクロモモンガのどちらかが使用していたケージを、同居させるケージとして使用せずに、新しいどちらのニオイも付いていないケージを準備します。もちろん、ケージが無駄になりますし、予算の都合上、どちらかのケージを使用する場合は、必ず充分に洗浄し、天日干しをするなどして、完全にニオイを消してから同居用のケージとして使用してください。

 このステップは、飼い主さんにゆとりがあって、ある程度長時間に渡って様子を見ることができるタイミングにしなければいけません。この時に喧嘩が始まってしまうようであれば引き離す必要があります。

 特に問題が無いようであれば、まずは寝床を複数設置してみます。この複数とは、可能な限りお互いがそれぞれ使用していたものと、どちらのニオイも付いていない新しいものを準備します。

6⃣相性の確認を続けながら普段通り日常生活を送れているかを確認する。

 フクロモモンガ同士が同居をしてからも、しばらくは注意深く様子を見ていくことになります。

 また、それぞれのフクロモモンガが普段通りの日常生活を送れているかを確認していきます。

【確認ポイント】

  • 食欲に問題はないか?
  • 怪我をしていないか?
  • ストレスを抱えていそうにないか?

 まずは、この3つのポイントが重要です。。食欲を確認することはもちろんですが、どちらも食事をしっかりと取れていることを確認します。そして、飼い主さんが見ていないところで喧嘩があったかも知れませんので、毛並みや動きを見て怪我や傷ができていないことを確認します。また、ストレスをチェックすることは難しいかも知れませんが、慣れない同居生活を嫌がっていないことを確認します。

多頭飼育の問題点を考えてみる

 フクロモモンガには、仲間が必要です。

 単頭飼育であれば、飼い主さんがフクロモモンガの仲間となり、1匹のフクロモモンガに思いっきり愛情を注ぐことができますし、逆にフクロモモンガの信頼も飼い主さんに集まります。その為にも、ある程度はフクロモモンガの為に時間を割く必要があります。

 一方の多頭飼育であれば、フクロモモンガには一緒に過ごす仲間がいるので、フクロモモンガ同士でコミュニケーションを取る時間があればあるほど、飼い主さんの負担は減ることになります。

 その他にも、単頭飼育であれば、飼育用品や餌代も1頭分で済むのですが、多頭飼育ではフクロモモンガの頭数分の費用が必要になるのです。また、多頭飼育の場合、体調不良でどちらかが下痢をしても、どちらが体調を崩しているのかが分からない場合もあります。

 どちらにもメリット、デメリットがありますので、単頭飼育を選ぶのか?それとも多頭飼育を選ぶのか?よく考える必要があると思います。

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