フクロモモンガは食べ物の好き嫌いが激しい
野生下のフクロモモンガは、昆虫や鳥類の卵などの動物性の食物と、花蜜や樹液、果物類などの植物性の食物を、およそ半々くらいでバランスよく食べているようです。
このことから、飼育下のフクロモモンガにも同様のバランスで食事を与えていきます。フクロモモンガは食べてもいいものと食べてはいけないものがありますので、与えてもいいものの中から可能な限り多種多様な食物がバランス良く入るようメニューを決めます。
飼い主さんなら分かると思いますが、ここで問題となってくるのはフクロモモンガは食物の好き嫌いが激しいということです。そして、基本偏食となってしまいます。
飼い主さんがどんなにフクロモモンガのことを思って栄養バランスの良い食事メニューを考えても、当のフクロモモンガは自分の好きなものだけを食べて、嫌いなものには一切手をつけないことがあるのです。もちろん、栄養のバランスが崩れた食事を続けていれば、いつか身体に不具合が出て病気になってしまうこともあるのです。
フクロモモンガの食事に関して、飼い主さんが頭を抱えることも多いのが事実ですが、こればかりはいろいろと工夫をしていくしか方法はありません。それぞれのフクロモモンガの嗜好や傾向をよく観察していきましょう。
フクロモモンガの食物の選り好み度合い度別基本のメニュー構成
まずは、フクロモモンガの偏食や食物の選り好みの度合い度別で基本のメニュー構成を見ていきます。
何でもよく食べるフクロモモンガのメニュー構成は?
何でもよく食べるフクロモモンガは、バランス良く栄養が摂取できるようにすれば特に問題はありません。
<基本のメニュー構成>
- 動物性食物→3~4種類(全体の50%)
- 植物性食物→ローリー用ネクター(全体の50%)
- おやつとして、果物や野菜類を3~4種類(全体の10%を超えないこと)
やや食事の偏りや好き嫌いが見られるフクロモモンガのメニュー構成は?
次に、やや食事の偏りややや食物の好き嫌いがあるフクロモモンガの基本のメニュー構成を見ていきます。
<基本のメニュー構成>
- 動物性食物→3~4種類(全体の25%)
- 動物性食物→ペットフード(全体の25%)
- 植物性食物→ローリー用ネクター(全体の50%)
- おやつとして、果物や野菜類を3~4種類(全体の10%を超えないこと)
偏食や食事の好き嫌いが激しいフクロモモンガのメニュー構成は?
そして、偏食や食事の好き嫌いの度合いが激しいフクロモモンガの基本のメニュー構成を見ていきます。
<基本のメニュー構成>
- 動物性食物→ペットフード(全体の50%)
- 植物性食物→ローリー用ネクター(全体の50%)
- おやつとして、果物や野菜類を3~4種類(全体の10%を超えないこと)
偏食や食事の好き嫌いが激しいフクロモモンガにおすすめなのは総合栄養食
先にご紹介した「フクロモモンガの偏食や食物の選り好みの度合い度別の基本のメニュー構成」の中にある「ペットフード」とは、パッケージに「総合栄養食」という表示のあるもののことを言います。つまり、栄養バランスに優れた様々な食材で製造されていて、この「フードと水だけでペットの健康が維持できるもの」ものという意味です。このことは、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」に明示されています。
できれば信頼のできる国内メーカーの「総合栄養食」を選びましょう。そして、成分表示や原材料表示をチェックして、しっかりと動物性たんぱく質が配合されていることを確認してください。現在では、フクロモモンガ専用の総合栄養食が市販されているので安心して購入することができます。
フクロモモンガの動物性食材とは?
ひと昔前は、フクロモモンガの餌を探すのに苦労しましたが、現在はフクロモモンガ専用のペットフードも多く市販されています。ペットショップやホームセンターであれば入手しやすく、特にフクロモオンガが好む動物性の食材は種類も豊富です。
フクロモモンガに適した動物性の食材で代表的なものは、ミールワームです。ミルワームだけでは栄養バランスが偏りますので、総合栄養食などと一緒に与えることをおすすめします。湿度が低くて風通しが良く、日の当たらない場所に準備をしましょう。
<動物性の食材の作り方>
- 乾燥パン粉、昆虫ペレット、カルシウム剤を混ぜ合わせてベースを作る。
- ミールワームを乗せる。
- りんごや人参などの野菜や果実類にカルシウム剤を振り掛けたものを添える。
- ドライタイプのペットフード(喰い付きがよくなければ水でふやかしたもの)を添える。
※昆虫類として、爬虫類専門店でコオロギ、ワックスワーム、シルクワーム、ピンクマウスなどが入手できます。
※その他、茹でた鶏肉、赤身肉、固ゆで卵、ヨーグルト、チーズ、ペット用ミルク、総合栄養食を動物性の食材として与えることができます。
フクロモモンガの植物性食材とは?
フクロモモンガに与える果物類について
フクロモモンガは、果物を好んでよく食べます。人間と同様にビタミン類が多く含まれている旬の果物を適度に与えましょう。ビタミンCを補給できますし、栄養価も高めることができます。
<果物類メニュー>
イチジク、メロン、すいか、マンゴー、パパイヤ、キウイフルーツ、みかん、オレンジ、グレープフルーツ、ぶどう、柿、ブルーベリー、バナナ、プルーン、いちご、洋なし、梨、さくらんぼ、桃、プラム、びわ、りんご・・・。
フクロモモンガに与える野菜類について
フクロモモンガは、果物に比べて野菜類はあまり好まないようです。ただ、果物と同様にビタミン、ミネラル、食物繊維の補給源となり、抗酸化作用もある野菜類は格好の食物です。適度に与えましょう。
<野菜類メニュー>
さつまいも、トマト、かぼちゃ、とうもろこし、サラダ菜、パセリ、セロリ、人参、クレソン、大根の葉、かぶの葉、ラディッシュ、ブロッコリー、カリフラワー、チンゲン菜、京菜、小松菜、きゃべつ・・・。
フクロモモンガ用のローリー用ネクターとは?
フクロモモンガの飼い主さんなら、「ネクター」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。まず、頭の中に浮かび上がるイメージは、私たち人間が飲むジュースのことですね。
昔懐かしいピーチネクターを見つけましたよ!
「ネクター」という言葉は、果実をすり潰して作られたソフトドリンクという意味があります。フクロモモンガに与えるネクターは、人間用のジュースとは当然のことながら違います!
「ローリー」・・・花蜜食の鳥のこと。
「ネクター」・・・花の蜜のこと。
フクロモモンガには、このローリー用のネクターを、フクロモモンガの植物性のメニューのひとつとして与えることができます。ペットショップや鳥類専門店で「ローリーネクター」などの商品名で入手することができます。
このローリーネクターは、ペレットタイプ、粉末タイプ、シロップタイプと様々な種類があります。もちろん現在ではフクロモモンガ専用の商品も市販されています。
フクロモモンガ用のネクターが入手できないときは、ローリー用ネクターを代用したり、メープルシロップやはちみつを与えることもできます。ただし、メープルシロップやはちみつは純度の高いものを選ぶ必要があります。人間用の砂糖などが加糖されたものはフクロモモンガに与えてはいけません。
メープルシロップやはちみつは加糖されたものがたくさんあります。
フクロモモンガの健康を考えると、値は張りますが純度の高いものを選んであげましょう!