高齢期のフクロモモンガの身体の変化と日常生活のポイント

世話編

フクロモモンガの高齢期は5~6歳を過ぎた頃から

フクロモモンガの老化を受け入れるのも飼い主の責任

 フクロモモンガを我が家に迎え入れる決心をした時のこと。フクロモモンガを初めて迎え入れた日のこと。なかなか懐いてくれなくて、威嚇されたこと。食事を与えても、なかなか食べてくれなかったこと。初めてモモンガポーチで散歩をした日のこと。滑空のトレーニングで初めて腕に着地をしてくれた日のこと。グルーミングをした時にお腹を出してクックックッと鳴いて気持ちよさそうにしてくれた日のこと。

 このような日々を過ごし、いつしかフクロモモンガを高齢期を迎えることになります。フクロモモンガも歳を重ねると、人間と同じように身体の機能が衰えてきてしまうのです。当然のことですが、我が子のようにかわいいフクロモモンガも老化するのです。受け入れがたい現実ですが、この現実を飼い主としてしっかりと受け入れる責任があります。フクロモモンガの身体の変化を理解しつつ、よりよい環境を作ることが飼い主の責任です。

フクロモモンガの老化が始まる高齢期は5~6歳を過ぎたとき

 フクロモモンガの寿命は、野生下のフクロモモンガで5歳程度、飼育下のフクロモモンガで10歳程度というデータが多いようです。

 飼育下のフクロモモンガでは、15~16歳まで生きた記録もありますが、野生下では厳しい環境であることからも5歳以上生きる個体は少ないようです。このことからもペットのフクロモモンガの場合は、老化が始まる高齢期の入口は5~6歳を過ぎたときと見た方がよさそうです。この5~6歳を過ぎたら身体の変化に注意を払っていきましょう。

高齢期のフクロモモンガに見られる身体の変化

 高齢期のフクロモモンガに見られる身体の変化として、五感、内臓機能、運動機能、体温調整機能、ホルモンバランス、自律神経調整機能、免疫力といった機能の衰えが見られます。これは人間と同様です。

 特に、目立つものとしては毛並みが悪くなることです。これはフクロモモンガが毛づくろいをしなくなるので、高齢期の入口としてはいちばん分かりやすいポイントかも知れません。ふと、「あれっ?最近、毛並みが悪くなったかな?」と感じた時は、フクロモモンガの老化が始まっているかも知れません。筋肉が落ちて運動量が減り、ちょっとずつ体重が増加してくるフクロモモンガが多いので、判断するのは難しくないようです。

高齢期のフクロモモンガの日常生活のポイント

高齢期のフクロモモンガの為に安心・安全な環境を整える

 高齢期に突入したフクロモモンガは、筋肉が減り、動きが鈍くなります。ただし、動きが鈍くなって、危険だからと運動を制限してしてしまうと、筋力の衰えはますます進行していきます。運動できるうちはあまり神経質になり過ぎずに、ある程度は自由にさせてあげるべきです。

 運動する量と度合いに合わせて、ケージの中にはコーナーステージや止まり木を増やします。また、ケージや巣箱の床材の厚みを増やす工夫も必要です。

高齢期のフクロモモンガのストレスを避ける生活を心掛ける

 高齢期のフクロモモンガは、若い頃のように遊びを工夫して好奇心を刺激したり、日常生活に飽きがこないようにケージのレイアウトを変えてみたりすることがストレスになることが多いようです。生活環境の急激な変化を避けて、穏やかな日常生活を送ることを心掛けます。

 高齢期のフクロモモンガには、こうした生活の変化からくるストレスを避ける生活を心掛けることが重要です。

高齢期のフクロモモンガに見合った食事の内容を考える

 高齢期のフクロモモンガには、現状に見合った食事の内容を考えることが大切です。目安となるのは、食欲と体重です。

 運動量が減り、その反動で体重が増加するフクロモモンガが多いので、体重の増減を目安に食事の内容を考えます。例えば、カロリーを減らそうとして、突然ヘルシーな食事に切り替えてしまうとそれ自体がフクロモモンガにとってストレスになります。食事の内容を変える時には、必ず徐々に切り替えることがポイントです。

 また、食欲が落ちてきたら、好きなおやつを与えて食欲を刺激することも効果的です。また、あごの力が衰え、噛む力が弱くなってきたら、ドライフードは水でふやかすなどの工夫も必要です。まずは、フクロモモンガに食べる楽しみを味わってもらえることがポイントとなります。

タイトルとURLをコピーしました