フクロモモンガの健康管理をするには身体をチェックしよう

健康管理編

フクロモモンガの飼育日記をつけよう

 フクロモモンガの魅力は、滑空をしたり、元気に走り回ったりする姿を見ることに尽きます。縁があって我が家に来たフクロモモンガには、幸せになってもらいたいはずです。

 その為にも、飼育日記を付けることをおすすめします。日々の行動を観察し、何を食べたのか?その記録こそが役に立ちます。

 例えば、体調を崩した時に、その体調を崩した原因を突き止めるのに役に立つ資料になります。何を食べて体調を崩したのか?それは、普段食べているものと違うのか?おやつは口に合っていたのか?

 また、起床時間や就寝時間に問題は無かったのか?部屋の温度は適切だったのか?これ以外にも、家の近くで行われていた道路工事の騒音がひどく、昼間にしっかりと寝られなかったなどの、原因を突き詰めることができるのです。

 こうした日々の飼育日記がフクロモモンガの病気の診断や治療に大いに役立つのです。まずは、飼育日記をつけることを日々のルーティンにしていきましょう。まずは、「記録」することを目的にしても問題ありません。書くことで何となく健康管理をしているよりも、しっかりと観察できるようになってきます。毎日記録することが難しくても、普段と変わったことだけを手帳の隅にちょっとだけ書いておくだけでもいいのです。堅苦しく考えるのではなく、まずはメモを書く程度の感覚ででいいのです。

  • 日付
  • 天気
  • 気温、湿度
  • 食事の内容、量
  • 食欲
  • 排泄物の状態
  • 身体の状態
  • その他、気付いたこと

フクロモモンガの身体をチェックすることが健康管理の基本

 フクロモモンガの健康管理は、日々の身体のチェックが基本となります。フクロモモンガの健康管理と言っても、じっくりと時間をかける必要はありません。日々のコミュニケーションの中で、例えばグルーミングをしながら、遊びながらで問題ありません。

 その中で、「あれっ?ちょっとおかしいかな?」と感じたことがあれば、動物病院を受診しましょう。健康状態をよく観察し、早期発見、早期治療が大切です。

 まずは、フクロモモンガの身体の特徴と健康チェックのポイントを覚えておきましょう。

フクロモモンガの目の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの目は、大きく、やや前方に張り出しています。夜行性の動物の為、暗闇でもものを見ることができます。

  • 白く濁っていないか?
  • 活き活きと輝いているか?
  • 目ヤニはないか?
  • 目をこすっていないか?

フクロモモンガの鼻の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの鼻は、薄っすらと湿った状態です。嗅覚は鋭く、非常に優れています。

  • くしゃみを繰り返していないか?
  • 鼻水が垂れていないか?

フクロモモンガの耳の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの耳は、大きく、音のする方向を見極める能力に長けています。聴覚も非常に優れています。

  • 傷はないか?
  • 汚れていないか?

フクロモモンガの歯、口の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの歯は、基本的に38本あります。切歯と呼ばれる下あごの前歯は、硬い樹皮をかじるのに便利なように前方に飛び出しています。また、長い舌を持っています。

  • 歯は欠けていないか?
  • 口の周囲は汚れていないか?

フクロモモンガの手指、爪の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの手指と爪は、木登りができるように横向きに設置します。指は、前足も後ろ足もそれぞれ5本ずつあります。また、鋭い爪を持っています。

  • 爪が折れていないか?
  • 手足を引きずっていないか?

フクロモモンガの被毛、皮膚、尻尾、飛膜の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの被毛は、一般的にブルーグレー色で鼻から尻尾の付け根にかけて濃い縦縞模様があります。ただし、被毛のカラーバリエーションは複雑で多岐に渡ります。

 また、フクロモモンガの尻尾は、頭から尻までと同じくらいの長さがあります。この尻尾は、滑空の方向を調整したり、ものを巻き付けて運ぶことができます。

 フクロモモンガのいちばんの特徴である身体の側面には、滑空の時に広げる飛膜があります。

  • 被毛が縮れていないか?
  • 脱毛が見られないか?

フクロモモンガの泌尿器、生殖器の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの泌尿器、生殖器は、総排泄孔と呼ばれて、生殖管、尿管、肛門の出口がひとつにまとまっています。オスの生殖器は、先端が二股に分かれています。

  • 出血は見られないか?
  • 分泌物で汚れていないか?
  • オスの場合、生殖器が出たままになっていないか?

フクロモモンガの育児嚢の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガのメスには、育児嚢と呼ばれる子育て用の袋を持っています。

  • 頻繁に気にしていないか?

フクロモモンガの臭腺の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの臭腺は、前額部、胸部、肛門、手足の表面、口の隅、外耳の内側にあります。オスのひたいの臭腺は、大人になると脱毛します。

  • 汚れていないか?
  • 分泌物が固まっていないか?

フクロモモンガの排泄物の特徴と健康管理のチェックポイント

 フクロモモンガの便は、黒色か黒褐色で、10㎜程度の楕円形です。尿は、黄色味がかっています。

  • 下痢をしていないか?
  • 軟便ではないか?
  • 便は少なくないか?
  • 尿の色や量に変化はないか?
  • 排泄はスムーズにできているか?

フクロモモンガの食欲、動作、体重のチェックポイント

 フクロモモンガの健康管理のチェックポイントとして、食欲、動作、体重を確認します。

  • 食欲はあるか?
  • 食べ方に変化はないか?
  • 口の周囲は汚れていないか?
  • 水を飲めているか?

  • 元気はあるか?
  • フラついていないか?
  • 手足を引きずっていないか?
  • 身体の一部を舐め続けていないか?
  • 呼吸は自然か?

  • 急激に太り過ぎていないか?
  • 急激に痩せ過ぎていないか?

フクロモモンガの生体データを確認しよう

 フクロモモンガの健康管理の為に、基本となる生体のデータを頭に入れておきましょう。

  • 心拍数=200~300回/分
  • 呼吸数=16~40回/分
  • 体温:直腸温=36.3℃、総排泄孔温=32℃程度
  • 寿命:野生下=5~7年程度、飼育下=12~15年程度
  • 身体サイズ:頭胴長=120~320㎜程度、尾長=150~480㎜程度
  • 体重:オス=100~160g程度、メス=80~130g程度
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